効果的なウェビナーシステムの選び方、4つのポイント
ウェビナーの種類を知ろう
以前の記事(『知っておきたいウェビナーのいろは やり方、メリット・デメリットを解説します』)でも触れましたが、ウェビナーは、大別すると、主に2つの配信方法があります。
それが、「ライブ(リアルタイム)配信型」と「録画配信型」です。
ウェビナーの開催にあたっては、この2つの配信方法(「ライブ(リアルタイム)配信型」と「録画配信型」)の特徴を把握したうえで、ウェビナーツールの選定をおこなうことが大切です。
ライブ(リアルタイム)配信型の特徴
「ライブ(リアルタイム)配信型」は、テレビでいうところの"生放送"にあたります。ライブストリーミング配信や生配信とも呼ばれるもので、事前に配信時間を告知し、リアルタイムで配信する形式です。
メリット
ウェビナー中にチャット機能を使うことで、その場で視聴者との質疑応答のやり取りを行うことができ、"ライブ感"、"臨場感"を演出することができる。
デメリット
インターネット環境や機器の状態にウェビナーの質が左右される。状況によっては配信トラブルが起こる可能性もあり、その場合はリカバリーが難しいというリスクがある。そのため、入念な準備が求められる。
録画配信型の特徴
「録画配信型」は、事前に録画しておいた動画を配信する形式です。 動画の配信期間中であれば、視聴者は好きな時間に、好きな場所で、自由に動画を視聴することが可能です。
メリット
視聴者が好きな時間や好きな場所で視聴できるので、ライブ配信よりも幅広い層にアプローチすることが可能。また、視聴者は何回も見直すことができて、気になったところはストップしてメモを取ることもできるため、理解度を深めてもらいたいテーマの場合は録画配信が向いている。
デメリット
録画配信型は、すでに録画・作成した動画データを配信するため、参加者と主催者のコミュニケーションが希薄になり、主催者の一方通行的なセミナーになってしまう。そのため、海外では、講義を録画しておき、当日はチャットによるコミュニケーション(Q&A)をライブで行う方法が増えている。
ウェビナーの交流形式「一方通行型」と「双方向型」
配信形式の違いと合わせて意識しておきたいのが、「一方通行型」と「双方向型」というウェビナーのコミュニケーションスタイル(ウェビナーの参加方法)です。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
一方通行型
文字通り、主催者側が視聴者に対して一方的にコンテンツを配信するスタイル。チャット機能を付けないため、視聴者は質問をすることはできない。
双方向型
チャット機能などにより、視聴者が質問など、スピーカー(講師)とコミュニケーションを取ることができるスタイル。視聴者は、リアルタイムのライブ感、臨場感を味わうことができて、主催者は参加者の反応をダイレクトに知ることができる。
ウェビナーシステム(ツール)の選び方、4つのポイント
さて、ウェビナーの配信形式やコミュニケーション形式を理解したところで、ウェビナーシステムを選ぶポイントについて考えていきましょう。
効果的なウェビナーを開催するためには、まず、自社のセミナー内容にマッチしたウェビナーツールの選定が肝心です。
システムに求める機能や特徴は、主催者によって、また、開催するウェビナーのテーマや内容によって異なりますが、以下は一般的に、ウェビナーツールの選択において、おさえておきたいポイントです。
ポイント1:配信内容や目的によって選ぶシステムを見極める
ライブ配信にしたいか、それとも録画配信にしたいか。また、一方的に講義を行いたいのか、それとも双方向で視聴者とコミュニケーションを取ってリアルな反応を知りたいのか。それによって選ぶべきシステムは異なります。まずは、どのようなスタイルで配信を行いたいのかを決定しましょう。
ポイント2:クオリティとサポート体制の確認
どんなに優れた内容のウェビナーを企画したとしても、配信が途中で止まってしまったり、途切れてしまったりすると、視聴者は主催者に対して良い印象を持ちません。それがシステム会社の問題であっても、それは視聴者には関係のないことで、主催者の責任として見られます。
事前に、掲載事例などをもとに、高品質で回線が安定しているサービスかを確認しましょう。あわせて、訪問や電話対応はあるか、日本語以外のサポートも可能かなど、サポート体制も調べておく必要があります。
ポイント3:必要機能と費用の確認
双方向でウェビナーを行いたい場合は、コミュニケーションツールが不可欠です。さらに、挙手機能、コメント機能、アンケート機能など、必要な機能が細分化されているため、必要なものが何かを事前に確認しておきましょう。
また、映像や音声の記録機能があるかどうかもチェックポイントです。録画した映像や音声は、見逃した人へのフォローや自社サイトにアップすることでプロモーションに活用することができます。ただ、利用する機能を増やせば増やすほど、費用も上がる可能性があるので、費用とあわせて検討しましょう。
ポイント4:配信後のデータ検証提供の有無
ウェビナーを開催すると、参加人数や属性、さらにはアンケート機能を利用すれば参加者の反応まで、さまざまなデータを入手することができます。それらのデータを配信後に検証することで、次回よりクオリティの高いウェビナーを開催できるほか、マーケティングや営業にも活用することができます。データ検証提供の有無も確認しましょう。
手軽派?大規模派? おすすめのウェビナーシステム
最後に、おすすめしたいウェビナーシステム(ウェビナーツール)を紹介します。 ここでは、手軽にウェビナーを実施できるツールと、プロ仕様で実施するためのツールの代表的な2つのサービスについてお伝えします。
Zoom
Zoomは、アメリカのZoom Video Communications社が提供するオンラインミーティングツールです。Webカメラを使ったビデオ会議に加えて、音声やチャットによる交流が可能です。コロナ禍により需要が急増し、2019年12月時点で1,000万人だった利用者が、20年4月には3億人にまで増加しています。
Zoomの主な特徴は以下の通りです。
- 日本で利用率が最も高いと言われるツール。1クリックで参加できるため、初心者でも利用のハードルが低く、使いやすい。
- 独自の高データ圧縮技術により、モバイル回線やポケットWi-Fi、LTEなどの狭帯域の回線でも利用可能。マルチデバイス対応のため、さまざまな場所・デバイス・環境から、簡単に参加することができる。
- プランを選択できる。最大1万人まで参加可能。
Biz Live
IBM Watsonエコシステムパートナーである木村情報技術が独自に開発した、日本生まれのコミュニケーションツール「Biz Live」。医療業界におけるWeb講演会配信事業でNo.1の運用実績(年間4,000回、年間利用者延べ110万人)をもつ「3eLive」を、業界の垣根を超えて利用できるように展開した製品。
主な特徴は以下の通りです。
- 数千人以上の視聴者へ、高品質な動画をタイムリーかつスピーディーに配信できる。オプションで、複数拠点からの出演者を中継をつなぐことも可能。
- 事前打合せから収録データの納品まで、ウェビナーの配信に関する一連の業務をお任せできる。また、配信元会場のすべての機材も用意されている(基本パック)。
- 配信終了後は、録画データとともに、マーケティングツールとして重要な視聴者のアクセスログやアンケートデータ等が翌営業日に納品される。
- テロップの作成やクロマキー合成など、画面の絵作りを自由自在に行うことができるため、主催者独自のウェビナーが可能になる。シーンの切り替えも、アイデアや要望に応じて対応。
- 視聴者ヘルプデスクがあり、案内開始日から本番終了まで対応。ウェビナー開催中は、専任スタッフが常時視聴監視を行い、トラブルを事前に防ぐ。
この他にもウェビナーツールはさまざまなものがあります。自社の目的に合った、最適なウェビナーツールを検討しましょう。