大規模ウェビナーシステムでも活用される「クラウドサービス」とは?
DX化が加速するなか、クラウドサービスの活用が盛んになっています。そもそも、クラウドサービスとはどういうものなのか、当記事では、DX時代に欠かせない「クラウドサービス」についてお伝えします。
そもそも「クラウド」とは?
クラウドとは、「社内やデータセンターにあったサーバーやネットワーク機器を、インターネット越しに配備・利用することができるサービス」を指します。
クラウドを利用するメリットには、以下が挙げられます。
- サーバーを購入する必要がない
- 必要コストは利用時間に応じた利用費のみ
- 試験的なサービスであっても気軽に提供する事ができる
こうした複数のメリットから、現在ではさまざまな企業がクラウドサービスの活用に乗り出しています。
例えば、ウェビナーサービスを提供している会社でも、AWS(Amazon Web Services:Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービス)を利用しています。
AWSの特長は、世界中にデータセンターがあり、どこの国でも利用できる点にあります。ちなみに、データセンターのエリアを指す"リージョン"には、なんと、AWS GovCloud (US)Regionsと呼ばれる、アメリカ政府専用のエリアがあります。DoD(米国防総省)やCIAも、AWSにてクラウドコンピューティングを利用しているとのこと。すなわち、セキュリティ面もDoDやCIAのお墨付きで安心です!
他にもクラウドコンピューティングサービスは、MicrosoftのMicrosoft Azure、GoogleのGoogle Cloud Platform(GCP)、IBMのIBM Cloudなどがあり、それぞれの良いとこ取りで利用することもできます。
ウェビナー提供会社でもクラウドサービスを積極活用
コロナ禍でオンラインセミナーやオンライン説明会が主流となった今、クラウドサービスはウェビナー提供会社をも支えています。
数百人~数千人規模の視聴者数が想定されるウェビナーでは、大規模な人数を受け入れるインフラが必要となります。しかし、巨大なインフラ設備を持つクラウドだからこそ贅沢に、それでいて安価に利用できます。
例えば、メガカンファレンスなどにも対応できる木村情報技術のウェビナーサービス「3eLIVE」でも、AWSを利用しています。AWSを活用することで、1台のサーバーがダウンしても、別のサーバー、また別のサーバーがある、というバックアップまたは多重化の構成を実現しています。多くの視聴者にサービス提供することはもちろんのこと、通信をいかにダウンしにくくするか、という可用性の部分でクラウドサービスは絶大な効果を持っているのです。
これからのクラウドの広がり
これからは、どの業界でもクラウドが主軸で利用されることでしょう。米国政府が先駆けでしたが、日本の行政もクラウド・バイ・デフォルトの原則* を発表し、これからは第一候補としてクラウドの利用を検討する、と発表しています。
参考:クラウド・バイ・デフォルトの原則
政府情報システムにおけるクラウド サービスの利用に係る基本方針
さらに、従来はデータの外出しなど考えられなかった医療や銀行などでもクラウドサービスの利用実績が増えています。この現象は、クラウドのセキュリティが非常に堅牢で(※専門家が取り扱う前提)、利用のメリットが大きいということを示していると言っても過言ではありません。
また、近年、以前のように単にサーバーを借りるだけでなく、新しくクラウドが生み出した設計も普及しつつあります。
代表的なものが、サーバーレス・アーキテクチャと呼ばれる構成です。
これは、利用するエンジニアは、サーバーを意識することなく、落ちにくく、使っていないときは課金されないという構成です。簡単に高可用性・高耐久性・高機密性を持った構成を作ることができ、企業は価値あるアプリケーションの構築にエンジニアを集中させることができるようになりました。こういった背景から、クラウド・ファーストな世の中が更に加速していくことが予測されます。
クラウドサービスの活用によるメリットは、企業や業種によって多々あります。今後、企業内で進むDX化を支える土台としても、クラウドサービスの活用はポイントとなりそうです。