9月中旬にALBA JAPAN SERIES開幕へ 選手育成や企業サポートによる教育支援も

ニュースサイト「BCN eスポーツ部(2023.09.05)」掲載記事

 ともに佐賀県に本拠を構えるeスポーツチームのALBA E-Sports SAGAのALBAと、AI活用事業などの研究開発などを手掛ける木村情報技術の両社は9月4日、「eスポーツの社会的地位向上に向けた新プロジェクト発表会」を開催し、世界で活躍できる選手の育成を目標とした「ALBA JAPAN SERIES CHAMPION SCRIM featuring fortnite」(ALBA JAPAN SERIES)の開幕を発表しました。

 ALBA JAPAN SERIESは既にプレシーズンを8月15日に開催。ライブ配信では同時視聴者数が5000人を超える活況だったとのことです。

 発表会では、9月中旬頃から、7チームで争うALBA JAPAN SERIESを年間80日間ほどの日程で開催することが明らかになりました。出席したプロジェクトマネージャーを務めるポルス氏も「今後は、地域対抗戦という形での開催も想定している」と日本各地で試合を行うことも示唆しています。

 さらに今大会の特徴は競技力以外の部分にも力を入れるという点です。木村情報技術では、選手たちにリテラシー教育やセカンドキャリアを見据えた職業体験などを受けてもらう取り組みを進め、eスポーツの社会的地位の向上や、選手へのサポートなどにつなげる狙いです。

 発表会では、パーク24所属でALBA E-Sportsアンバサダーを務める柔道家の髙藤直寿氏、同チームに所属しフォートナイト競技公認実況解説者で同大会のプロジェクトマネージャーのポルス氏、木村情報技術所属のプロ選手のまいぽり選手、ALBAの田原知明代表取締役、木村情報技術の木村隆夫代表取締役の5人が登壇。フォートナイトの公式世界大会「FNCS Global Championship 2023」に出場予定の選手たちも登場しました。各登壇者がフォートナイトのeスポーツシーンの現状や今後、eスポーツへの熱意などを口にし、今回のALBA JAPAN SERIESへの意気込みをうかがわせるコメントを残しました。

上段左から、田原氏、髙藤氏、ポルス氏、まいぽり選手、木村氏、下段左からFNCS Global Championship 2023出場予定のyuma選手、BOBY選手、daydus選手、しぇろん選手、Stain選手、zazi選手

上段左から、田原氏、髙藤氏、ポルス氏、まいぽり選手、木村氏、下段左からFNCS Global Championship 2023出場予定のyuma選手、BOBY選手、daydus選手、しぇろん選手、Stain選手、ZAZI選手

髙藤氏

髙藤氏

 髙藤氏はeスポーツはスポーツか?という疑問があったとするも「選手と実際に交流すると、その努力や姿勢はスポーツ選手そのものでした。世界に目を向ければ、顔出しで表舞台に立ち、影響力も大きい。私自身もフォートナイトに熱を注ぐ一人です。スポーツに打ち込む柔道家としてもこのeスポーツは大きく発展してほしいと思っています。eスポーツがスポーツとして認められるために、選手たちとともにこのプロジェクトが今、動き出したなという感覚があります。視聴者の皆さんにはぜひ選手一人一人のストーリーにも注目してほしいと思いますし、絶対にこの大会から世界一になる選手が出てくると信じています」と、一人のプレイヤーとしての思いも交えながらコメントしました。

ポルス氏

ポルス氏

 ポルス氏も「eスポーツにもほかのスポーツ同様に、熱狂や子どもたちの憧れといったものが根幹にあるべきだと考えています。技術的に目標となるような大会とすることはもちろんのこと、選手が人間としても成長する姿を発信することで共感してもらえるようドキュメンタリー制作などエンタメ部分でも工夫していきたいです。7チームすべてに企業のサポートがつくことで、社会人としての資質やセカンドキャリアの設計など、さまざまなものを巻き込みながら、eスポーツをテーマとした前向きな循環を生み出すことが大きな目標になります」と、今後の展開へ期待を寄せました。

まいぽり選手

まいぽり選手

 まいぽり選手は、高校生とプロ選手の二足の草鞋を履いてきましたが、今年度からeスポーツ選手として木村情報技術に入社。「このプロジェクトは2年前から進めてきたものですが、途中、紆余曲折がありました。しかしこれによって選手の意識も変わってきたものと思います。今大会ができれば企業のサポートを受けながら選手のマナーが向上し、eスポーツは子どもの遊びという一般認識も変えることができると信じています。加えてフォートナイトのeスポーツシーンが今どうなっているのか、皆さんに知っていただく機会となればうれしいです」と、一人の選手としてこのプロジェクトへの思いを話しました。

田原代表取締役

田原代表取締役

木村代表取締役

木村代表取締役

 次に両代表取締役が登壇。田原氏はこれまでのeスポーツ参入の過程を語りながら「スポーツは人を育てるもの。選手たちが悪く言われるのはおかしいし、13~18歳という年齢層という彼らは、われわれが育てなくてはいけない年代。憧れの的のeスポーツ選手を育てる。正しいふるまいをすれば、子どもたちに夢を与えられる。そう信じています。こうした流れが実現できれば、日本の未来も明るくなるし、そうした力がeスポーツにはあると思います」と、eスポーツの将来性について語りました。

 木村氏は選手のキャリアについて言及。「まいぽり選手のほかに現役を引退した選手も当社に入社しています。今回のプロジェクトではメンバーみんなが人生をかけてeスポーツ業界を変えようという決意や熱意を持っています。そんな中で、われわれは現役期間の短い選手たちの引退後の不安をセカンドキャリアというかたちでサポートしていきたいです。このプロジェクトが最終的にエンタメ業界としても発展し大きな産業となることを期待しています」と企業として選手をサポートしていくというあり方を語りました。

Stain選手

Stain選手

 最後に「FNCS Global Championship 2023」に出場予定の選手を代表してStain選手が登場。世界大会への意気込みとして「ALBA JAPAN SERIESでは非常に恵まれた環境で力をつけることができました。昨晩、世界大会に向けてこの6人で語り合い、気持ちを高めました。ALBA JAPAN SERIESを引っ張る選手として頑張るとともに、世界一も取ってきます」とコメントしました。

※本記事については、株式会社BCNより記事掲載の許諾を得ております。

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