AIチャットボットとChatGPT連携

AIチャットボットとChatGPT連携

ChatGPTのシェア急拡大は目を見張るものがあり、もはや一大ブームとなっています。検索機能として使う、コード生成として使う、用途はいろいろありますが、「凄いぞ!」だけでは何も進みません。

木村情報技術では実際に動かして検証し、ビジネスとしての利活用も研究しています。木村情報技術は日々新しいAIソリューションを研究しています。その中で出てきた考察も含めてChatGPT事例をご紹介させていただきます。

生成系AIの活用について

先日開催したセミナーにおいて、生成AIの活用状況についてのアンケートを行った結果です。

「活用を検討している」が52%、「既に活用している」が9%と、約半数の方が生成AIの活用を検討されているという結果になりました。

生成AI活用についてのアンケート。「活用を検討している」50%、「活用している」9%

これから利用を検討している方はChatGPTをうまく活用することで業務の効率化が見込めますが、機密情報などを安易に入力すると学習データに取り込まれる恐れがありますので学習のオプトアウトを活用するなどしてご利用はご注意ください。

安全に業務活用を進めるためには、まずは専門家によるリードを受けた方が良いでしょう。

OpenAIの直近の取り組み

ChatGPTは注目を集めており、業界を問わず使われ始めています。
OpenAI社の直近の取り組みとして

  • より早くより安くしていく
  • より長いプロンプトに対応
  • 自社専用の情報を扱えるようファインチューニング
  • 履歴をサーバー上で覚えていくステートフルAPI
  • 画像系の解釈や加工の充実

が発表されています。そのためますます普及していくことが予想されます。AI活用を進めるにあたって、OpenAIの動向には特に注目しておくことをお勧めします。

ChatGPTの活用事例

ChatGPTの優秀なところは文章予測です。これを活用しソリューションとして組み込みローンチするケースも増えてきました。

木村情報技術でもチャットボットAI-QへのChatGPTの組み込みを実現しており、先日リリースさせていただきました。
ChatGPT機能連携の第一弾として、チャットボットAI-Qに質問文の自動生成機能を実装いたしました。
当社のチャットボットAI-QのエンジンはIBM Watsonです。いわゆる人口知能をベースに質問に受け答えする仕組みを提供しており、100社以上に提供実績があります。

ChatGPTと連携したAI-Qは、質問文を自動で生成します

賢いAIを構築するには、どういった質問がされるかを想定して学習させておくことが重要です。ワンクリックで質問を増殖できるようになったので、運用の手間がグンと減りました。AI-Qをアップデートすると、ChatGPT機能連携を無料で扱うことが出来るようになります。

費用についてのイメージ

Azure OpenAIの価格をご紹介します。GPT-4の方が圧倒的に高いですが、これの費用については「より早くより安くしていく」とOpenAIの発表がありました。
※1000トークンは日本語で概ね400文字程度です。

(2023/6/30時点)

モデル 1000トークン入力価格 1000トークン出力価格
ChatGPT 約0.3円 約0.3円
GPT-4 8k 約4,2円 約8,4円
GPT-4 32k 約8,4円 約16.8円

当社内の活用事例

活用事例1  ChatGPTの要約

長文を読みやすく要約してくれます。例えば議事録の場合、短時間で内容を把握することが出来るようになるため、業務負荷が軽減されます。また、議事録から導き出されるタスクも箇条書きで抽出してくれます。

注意点としては、長文を入力するとトークンも多くなるため利用料が高額になりがちです。ご利用は計画的に行いましょう。

活用事例2 ChatGPTのコーチング

ChatGPTへいくつかの質問を答えることで、まるでコーチのような指導内容を出すことが出来ます。キャリアパス相談や目標立てなどを具体化する手助けになるでしょう。

ChatGPTはマルチモーダルに対応していく

今までのAIはテキストや画像を複合的に扱うことが出来ませんでした。しかし、昨今はマルチモーダルに対応したAIが増えてきてChatGPTもそれを高度な次元で実現していくと明言しています。

マルチモーダルAIとは

マルチモーダルAIとは複合した情報を扱えるようになったAIのことです。
それに対し、シングルモーダルAIはテキスト・音声・画像など1種類の情報を扱えるAIのことです。

例えば、こんな画像を指定して

紐を切ったら風船はどうなりますか?と質問すると、「風船は飛んでいきます」とマルチモーダルAIは回答を返すことができます。これは画像の解釈と質問の解釈を同時に行えるため実現できることです。また、回答を画像で返すこともできるようになるそうです。

マルチモーダルの分野も凄まじい進歩があり産業への活用が進んでいます。
マルチモーダルAIの具体的な用途として、以下が考えられます。

  • 製品画像による顧客サポート
  • 産業用ロボットでの活用
  • 医療の診断
  • コミュニケーションロボット

ChatGPT利用には心得を忘れずに

ChatGPTはとても便利ですが、注意しなければならないこともあります。
一般的に言われていることだらけですが、業務活用を行う前に下記に注意しましょう。

  • 個人情報や機密情報を入力しない
  • 内容の整合性を確認する
  • 権利侵害していないかを確認する
  • 常識の範囲内で
  • 入力情報を学習に使用しないオプトアウトの設定を必要に応じて使う

学習データ生成にChatGPTを

人工知能の質問に答える仕組みには、質問を大量に作成する必要があります。基本的にオペレーターが学習データを作成し賢いAIへと育成します。

木村情報技術はChatGPT連携の第一弾として質問学習の一部自動化を実装しました。これにより学習データを自動生成でき、AIをより賢くすることが可能です。また、人的コストが抑えられます。

様々なAIが普及していますが、顧客サポート、医療、産業ロボットなど様々な分野においてAIの活用が当たり前になっていくでしょう。

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この記事の執筆者

水野 博紀
水野 博紀
東京造形大学卒 木村情報技術 Web/DTP制作チーム所属

主にSEO、SEM、ブランディングを扱い、Web、DTP、UI構築など業務は多岐にわたります。
たまに新規システムや新事業に関わっています。

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